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本書は、イギリス国家档案館が所蔵する清代咸豊年間の 両広総督府等衙門が太平軍鎮圧のために作成した軍事 地図で、今回が初公開となるため近代史研究の大家であ る羅爾綱や郭廷以等もこれまで使用できなかったものです。 上、下編の構成で、上編は専題研究とし中英文前言や《 英国国家档案館庋蔵伝統中文輿図的学術価値》等三篇の 学術論文を収録、下編にはこれらの輿図が総計74種、124 幅収録されておりそれぞれの地図の收蔵番号、中英文名、 制作時期、方角や場所、サイズ等の基本データのほか、 輿図の内容に基づいた著者の詳細な説明，輿図の名称や 制作時期，清軍と太平軍との軍事関係について独自の見解 を紹介、さらに文献記載に基づいて、輿図の内容と文献との 関係についての論述も含んでいます。 清軍と早期太平軍との間に発生した一連の重要戦事はもち ろん、近代東南沿海地区の自然風貌や、村々の道路・河川 の分布、軍事拠点の設置など輿図自身の持つ歴史地理学、 輿図学的価値以外に近代中国の政治、軍事、区域社会変 遷史研究について新資料を提供する学術的価値を有すると されています。. |
