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書籍番号 54209
書   名 和林格爾漢墓壁画孝子伝図輯録
シリーズ
データ B4 193頁 (精装)
ISBN/ISSN 978-7-5010-2690-6
編著者 陳永志 〔日〕黒田彰主編
出版年 2009年11月 
出版者 文物出版社
価格(本体) 22,000円

 和林格爾後漢壁画墓は、中国の考古学における重要な発見である。
墓中から発見された壁画は、総面積が一百余平方メートルに及ぶ
もので、五十六組、五十七画面を有し、模題は二百五十条を数える。
(中略)壁画は当時の姿をよく留めており、画幅は巨大、内容も豊富で、
画面の形象は生彩に富む。この壁画墓は、漢代の孝子伝、列女伝、
聖賢故事等の内容を、私達の眼前にそのまま展開させる唯一の世界
的文化遺産であり、その発見は、後漢の庄園制度の研究において、
非常に重要な意義を有する。和林格爾後漢墓壁画で最も抜きん出て
詳細に描かれるのは、孝子伝図、列女伝図である。(中略)
 一九七八年六月に出版された 『和林格爾漢墓壁画』は、壁画の主要
な内容を、比較的詳しく掲載しているが、当時の研究条件と出版には
制約があったし、また、壁画中の幾つかの細かな重要点が漏れたり、
解説の幾つかの画面の考察が大まかで部分的である。これらの点に
鑑み、中国の内蒙古文物考古研究所と日本の幼学の会は、和林格爾
漢墓壁画について、共同研究を行うこととし、改めて資料の詳しい整理
を進め、壁画中の幾つかの内容を再検討した。そして、壁画のその他の
内容を補足、刊行することにしてこの『和林格爾漢墓壁画孝子伝図輯録』
を編んだ。『和林格爾漢墓壁画孝子伝図輯録』は、漢代壁画の孝悌に
関する内容を、系統的に研究する国内外で始めての専門書である。
本書は、漢墓壁画中の孝子伝図、列女伝図、列士図、孔子弟子図等の
内容について、詳細な検討を行うと同時に、全壁画の内容に対し系統的
な分類を進め、主として図像の順序が明確となるように壁画を示した。
中国漢文化の研究においてこれは正に一つの大きな進展であり、その上
梓は間違いなく中国漢代壁画の孝子伝図、列女伝図研究の空白を補填
するものであろう。
 本書は、二〇〇六-二〇〇八年度科学研究費補助金基盤研究(B)に
よる成果である。中国と日本で実施した共同研究において、中国側の
研究主体者は内蒙古自治区文物考古研究所であり、陳永志教授がこの
研究の具体的な任務と責任を負う。日本側の研究主体者は幼学の会で
あり、儒教大学黒田彰教授がその任務と責任を負う。また、この共同
研究の資料整理には、内蒙古自治区文物考古研究所宋国棟先生・
李強先生・日本の成城大学後藤昭雄先生・梅花女子大学三木雅博先生
・国文学研究資料館山崎誠先生・愛知文教大学陳齢女史・儒教大学
非常勤講師坪井直子女史が参画した。
  編 者 二〇〇九年二月十七日(本書日文前言より抜粋)

【目 録】
【前言】(中日文)
 和林格爾漢墓壁畫(中日文)
 和林格爾東漢壁墓裡的孝子傳圖、孔子弟子圖以及列女傳圖、
  列士圖(中日文)
 壹 孝子傳圖及其他
 貳 其他壁畫
 参 附録
【図版目録】
 壹 孝子傳圖及其他
   一、孝子傳圖
   二、孔子弟子圖
   三、列女傳圖
   四、列士圖
 貳 其他壁畫
   一、前室壁畫
   二、前室南耳室壁畫
   三、前室北耳室壁畫
   四、中室壁畫
   五、中室南耳室壁畫
   六、後室壁畫
 参 附録
   一、壁畫補遺
   二、圖表