45641.jpg

 

 
書籍番号 45641
書名 遼東半島四平山積石塚の研究
シリーズ
データ B5 本文223頁 カラー図版2頁 モノクロ図版32頁 (上製本)
ISBN 978-4-8409-5020-6
編著者 澄田正一 小野山節 宮本一夫編
出版年 2008年3月 
出版者 柳原出版
価格(税込) 9,870円

中国の東北地方、遼東半島大連市の西側に位置する四平山。
その附近に積石塚と呼ばれる多数の墳墓がある。
この積石塚は板石をほぼ垂直に積み上げて造った石室をもつ
黒陶文化期の墓葬である。四平山積石塚は、遼東半島における
先史時代文化の発達を考える上で基本となる遺跡であるばかり
ではなく、多数の黒陶や玉器が発見されたことによって、
華北山東半島や中原の龍山文化を究明する上でも重要な遺跡
である。
1941年、日本学術振興会によって、この積石塚の発掘調査が
行われた。その結果、四平山を中心として総計20基あまりの
積石塚石室が多くの副葬品をともなって発見された。本書は
その調査の成果を元に、当時の発掘状況を撮影した写真、
石室の構成・規模を示す実測図、黒陶・紅褐陶・玉器などの
発掘品の実測図を多数掲載し、人骨や歯牙などの自然科学的
分析をも加えて、包括的に四平山積石塚を研究・解説したもの
である。四平山積石塚の文化は、東北アジア全体においても
重要な位置にある。本書のこの遼東半島先史社会の研究は、
単にその地域社会研究にとどまるだけでなく、日本の弥生時代
の開始や東北アジア全体の農耕社会の成立を考える上でも
貴重な資料であり、学術的に貢献するところが大きい。
(本書説明文より)
【本書の目次】
巻頭図版
図版―四平山積石塚発掘の記録―

第1章 調査の経過と周辺の遺跡
  1 四平山積石塚の調査の経過
  2 遺跡の地形と周辺の遺跡
  3 調査日誌抄
  4 遼東半島における戦後の遺跡調査と四平山積石塚の意義
第2章 四平山積石塚の石室と周辺の積石塚
  1 四平山積石塚の概要 
  2 32号墓
  3 35号墓
  4 36号墓
  5 37号墓
  6 38号墓
  7 39号墓
  8 高麗城積石塚48号墓
  9 高麗山積石塚65号墓
 10 旗山積石塚60号墓
 11 大牛巻山積石塚
 12 鍋頂山積石塚
第3章 四平山積石塚出土遺物
  1 土器の名称と遺物の種類
  2 黒陶
  3 紅褐陶
  4 玉石器
  5 土製品
  6 貝・骨角牙器
第4章 自然科学的分析
  1 土器の胎土分析
  2 龍山文化期黒陶片試料の炭素安定同位体比分析
  3 四平山積石塚で出土した人骨
  4 35号墓B-C石室出土人骨歯牙
  5 四平山積石塚出土の動物遺存体
第5章 結語
  1 積石塚の石室構造と編年
  2 黒陶と紅褐陶の編年からみた積石塚の変遷
  3 四平山積石塚の玉石器
  4 四平山積石塚の社会―黒陶の品種構成と墓葬の配置―
  5 積石塚からみた遼東半島先史社会
附篇1 関東州内石塚分布調査報告
附篇2 第2回関東州史前遺跡―石塚―調査概要
あとがき
中文抄訳
英文抄訳
参考文献/巻頭図版一覧/図版一覧/挿図一覧/表一覧/
附篇挿図一覧