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書籍番号 |
58490 |
書 名 |
山陰弥生墳丘墓の研究 |
シリーズ |
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データ |
A5 本文336頁 挿図65点 表組み5点 (上製本) |
ISBN/ISSN |
978-4-905240-00-6 |
編著者 |
藤田憲司著 |
出版年 |
2010年11月 |
出版者 |
株式会社
日本出版ネットワーク |
価格(税込) |
3,150円 | 山陰の弥生墳墓を象徴する四隅突出型墳丘墓は、広島県北部の 三次盆地から山陰海岸部に波及して出雲を中心に拡がり、古墳 時代の始まりとともに終焉したと考えられている。その通説は大和 王権に屈した出雲王国の盛衰と重ね合わせてイメージされている。 かつて、通説化されていた山陰の四隅突出型墳丘墓の時代観を 覆した著者が、再び四隅突出型墳丘墓の起源と終焉論の通説に 挑んだ新説。山陰の枠を越えて、前方後円墳体制論に迫る3世紀 墳丘墓研究の新視点。 【目 次】 はじめに 第1章 研究抄史と問題の所在 第1節 研究抄史
1 山陰弥生墳墓研究の始まり 2 最初の迷走(1970
年代) 3 修正と新たな混迷(=一元的起源論)の始まり 4 一系論と終焉論の蹉跌 5 これからの研究方向 第2節 弥生墳丘墓と古墳 1 墳丘墓と古墳 2 古墳の定義 3 墳丘墓でも古墳でもない墓 4 都出論理構成の問題点 5 最初期前方後円墳の課題 6 Ⅰ期前方後円墳の大別 7 三角縁神獣鏡と前方後円墳
8 いま一つの課題(前方後円墳時代の提唱) 第2章 墳丘墓編年の課題
第1節 山陰「鍵尾式」の再検討とその併行関係 1 「鍵尾式」が抱える課題
2 岡山県南部の編年細分 3 山陰の編年研究の現状
4 山陰と山陽地方の併行関係 5 まとめ
第2節 山陰型特殊器台から見た山陰の墳丘墓の編年観 1 揺れ動く山陰の墳丘墓の編年
2 神原神社古墳出土土器の概要 3 神原神社古墳出土土器の相対的な時期
4 円筒形器台(山陰型特殊器台)の系譜と展開
5 山陰型特殊器台・特殊埴輪の相対的位置と年代観 第3章 山陰弥生墳丘墓の成立
第1節 配石墓と方形区画墓
1 弥生時代初期の墳墓、区画墓の分類 2 初期弥生墳墓の地域色 3 山陰の配石墓の系譜 第2節 初期区画墓の諸形態(周溝墓と台状墓) 1 北部九州の区画墓 2 瀬戸内・畿内の周溝墓 3 山陰の初期区画墓 第4章 弥生墳丘墓の系譜 第1節 朝鮮半島の区画墓(支石墓と周溝墓) 1 敷石区画墓(墓域支石墓)の事例 2 長方形周溝墓の事例 3 もう一つの方形周溝墓 第2節 二つの墳丘墓の系譜 1 方(円)形周溝墓の系譜 2 方形貼石墓の系譜 第5章 四隅突出型墳丘墓の成立 第1節 方形貼石墓と四隅突出型墳丘墓 1 四隅突出型墳丘墓の起源諸説 2 貼石区画墓の道 3 もう一つの道の表現 第2節 四隅突出型墳丘墓の定義と分類 1 踏石状石列と突出部 2 墳丘の分類 3 突出部の分類 第6章 四隅突出型墳丘墓の展開 第1節 四隅突出型墳丘墓の地域色と展開 1 江の川流域 2 出雲地域 3 隠岐地域 4 伯耆・因幡地域 5 その他の地域 6 分布に見る地域差 第2節 各地の墳丘墓事情 1 丹後の弥生墳丘墓 2 北部九州と瀬戸内の墳丘墓 第3節 四隅突出型墳丘墓の出雲化 1 西桂見から西谷へ 2 出雲平野の四隅突出型墳丘墓 3 貼石と突出部の退化 4 四隅突出型墳丘墓の二極化と一元化 第7章 四隅突出型墳丘墓世界の背景 第1節 前方後円墳と前方後方墳 1 前方後円墳成立以前の各地の墳丘墓 2 前方後円墳と前方後方墳の分布 3 大和の前方後円墳時代 第2節 見えざる鉄器 1 畿内中心論の蹉跌 2 鉄器の分布 3 畿内の石器と鉄器 4 無いものと無かったもの 5 山陰の鉄器分布の特徴 終 章 四隅突出型墳丘墓の終焉と出雲 第1節 四隅突出型墳丘墓その後
1 これまでの四隅突出型墳丘墓終焉の視点 2 山陰の前方後円墳時代初期墳丘墓の分布
3 前方後円墳時代初期の長方形墳丘墓の系譜
4 出雲型方形墳の伝承 第2節 まとめ 英文抄訳 参考引用文献 あとがき
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