4~6世紀の朝鮮諸国と倭の関係には謎が多い。両地域の古墳に副葬された
金銀の耳飾や大刀の精査を通じて、複雑に交錯する諸国の利害と意図を
読み解き、真の交流史像に迫る。
目 次
序 章 古代日朝関係史の課題と金工品研究の可能性 ………………
3
第1節 金工品研究の目的―美しき最先端技術の結晶 3
第2節 半島文化流入の要因をめぐる認識
――「任那日本府」と倭の軍事的活動 5
第3節 「日朝関係史」という二元的認識の問題点 6
第4節 研究の方法と分析対象としての金工品 7
第5節 具体的な検討対象 8
第6節 本書の構成 10
第Ⅰ部 垂飾付耳飾の型式学的検討 ……………………………………
13
第1章 新羅における垂飾付耳飾の系統と変遷 ……………………
15
第1節 新羅の垂飾付耳飾をめぐる研究 16
第2節 耳飾各部の分析 19
第3節 系統の設定と編年 28
第4節 新羅における垂飾付耳飾の変遷と製作体制 53
小 結 64
第2章 昌寧地域出土金工品にみられる特異性の評価
……………
67
第1節 金工品の製作地に関する議論 68
第2節 昌寧地域出土金工品の検討 71
第3節 昌寧における金工品製作の可能性 80
小 結 88
第3章 大加耶における垂飾付耳飾製作
……………………………
91
第1節 大加耶の垂飾付耳飾をめぐる研究 92
第2節 耳飾各部の分析 94
第3節 系統の設定と編年 99
第4節 大加耶における垂飾付耳飾の変遷と技術系譜 111
小 結 121
第4章 日本列島出土垂飾付耳飾の製作主体
………………………
123
第1節 日本列島出土垂飾付耳飾をめぐる研究 124
第2節 個別資料の系譜的検討 126
第3節 長鎖式耳飾の製作主体 136
第4節 垂飾付耳飾の時期別様相 148
小 結 153
Column
1 考古学にやさしい国 155
第Ⅱ部 装飾付大刀の流通と製作技術伝播 ……………………………
157
第5章 洛東江以東地域における装飾付環頭大刀の変遷 159
第1節 「新羅」大刀をめぐる研究 160
第2節 大刀各部の分析 163
第3節 大刀群の設定 168
第4節 新羅における装飾付大刀の変遷 184
第5節 大刀製作体制の変化とその意義 188
小 結 193
第6章 百済・加耶における装飾付環頭大刀の製作技法と系譜
…
195
第1節 百済・加耶の装飾付大刀をめぐる研究 196
第2節 装飾付環頭大刀の基礎的検討 201
第3節 百済・大加耶の大刀製作技術 220
第4節 大加耶圏出土装飾付環頭大刀の系譜 223
小 結 229
第7章 朝鮮半島出土円頭・圭頭刀の系譜
…………………………
231
第1節 円頭・圭頭刀をめぐる研究現況と課題 232
第2節 円頭・圭頭の定義と用語の設定 235
第3節 朝鮮半島出土円頭・圭頭刀の基礎的検討 238
第4節 円頭・圭頭刀の技術系譜とその意義 252
小 結 256
第8章 日本列島出土初期装飾付環頭大刀の系譜
…………………
257
第1節 既往の研究における初期装飾付環頭大刀の評価 258
第2節 個別資料の系譜的検討 260
第3節 初期装飾付環頭大刀の時期別様相 283
小 結 287
第9章 単龍・単鳳環頭大刀製作の展開
……………………………
289
第1節 単龍・単鳳環頭大刀をめぐる研究 290
第2節 環頭部製作技法と外装の相関性 293
第3節 半島製品の抽出と列島内製作の開始時期 307
第4節 単龍・単鳳環頭大刀製作の展開 320
小 結 324
Column
2 製作方法を推定する 327
終 章 金工品からみた地域関係史 …………………………………
331
第1節 統合編年区分の設定 331
第2節 古代朝鮮諸国と倭の相互交渉 333
第3節 今後の論点―次なる課題へ向けて 345
おわりに 348
参考文献 351
図版出典 375
表の出典 384
あとがき 393
索 引 397