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書籍番号 79009
書  名 官衙・集落と大甕 第22回古代官衙・集落研究会報告書
シリーズ (奈良文化財研究所報告 第23冊)
データ A4 316頁
ISBN/ISSN 978-4-87808-163-0
編著 奈良文化財研究所編
出版年 2019年12月 
出版者 (株)クバプロ
価格(本体) 3,500円

今回の研究集会では官衙・集落から出土する遺物のうち大型甕
(須恵器甕)を扱う。大型甕は大容量の貯蔵専用器として食器類とは
異なる特性を有する器種である。
製作・運搬にコストがかかるものの、官衙や集落での営みに必要な
道具のひとつであった。官衙では集中的に出土する事例や甕据付建物の
存在など、貯蔵用・醸造用として使用されていたことがわかる。
いっぽう一般集落では多量に出土するものではないが、貯水容器として
の使用が推測されるとともに、集落における共同飲食儀礼において準備
された酒の醸造・貯蔵にも使用されていた可能性がある。
今回の研究集会では、このような大型甕の製作・流通・使用・廃棄の
実態についてあきらかにし、その歴史的な位置づけを試みたい。
 大型甕は破片で出土することが多く、扱いの難しさから従来調査・
研究の対象として注目される機会が少なかった。しかし、大型甕は製作
から使用・廃棄に至る痕跡をとどめており、出土状況をふまえることで
遺跡の性格づけにも関わる貴重な情報を内包した遺物と考える。
大型甕の検討により、古代の官衙や集落の新たな側面について迫りたい。
 
Ⅰ 報 告……………………………………………………………     9

宮都における大甕………………………………………小田 裕樹    10
北陸における官衙・集落と大甕 
 ―分析・理解に向けての視点と事例を中心として― 
                    ………川畑  誠    33
古代の地方官衙・集落・寺院と大甕…………………田中 広明    79
長岡京の甕据付建物について…………………………木村 泰彦   107
大甕の生産・流通の変遷について
 ―垂下形縁帯状口縁をもつ大甕を中心に― ……木村 理恵   123
大甕を使う―文献史料に見える「甕」とその用法 
                  ……………三舟 隆之   135

Ⅱ 討 議
資料編
遺跡目次………………………………………………………………   177
凡 例…………………………………………………………………   178
Ⅰ 宮 都……………………………………………………………   179
Ⅱ 官衙・集落・その他……………………………………………   251
 参考資料……………………………………………………………   284
Ⅲ 表…………………………………………………………………   293
 表1 遺構一覧 ……………………………………………………   294
 表2 文献一覧 ……………………………………………………   301
 表3 掲載図出店一覧 ……………………………………………   304
遺跡目次(掲載図版付き)…………………………………………   308