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書籍番号 79382
書  名 河内・和泉の考古記録
シリーズ
データ B5 344頁
ISBN/ISSN 978-4883138975
編著 秋山浩三著
出版年 2020年2月 
出版者 清風堂書店
価格(本体) 1,800円

 【紹介】

大阪府弥生文化博物館の副館長である著者が、博物館業務と
して従事した大阪中・南部にあたる河内・和泉にある主要
遺跡や、その地域に関係した内容を収載したものである。
第一部には河内地域の縄文時代から中世にいたる各時代の
多様な考古資料を掲載した。日下遺跡・池島・万福寺遺跡、
河内・船橋遺跡を取り上げ、河内地方で他に発掘された資料
も取り上げた。
第二部では、和泉地域の弥生時代の拠点集落である国史跡・
池上曽根遺跡に関する考察や短報などをまとめたものである。
第三部では、河内・和泉両地域の近現代資料をめぐって考古
学的に検討した内容―具体的には、旧日本陸軍の陶製食器、
および、瓦製作の道具類―を紹介している。河内・和泉に
関わる考古学的な記録化ともいえる内容となっている。

 【目次】

はしがき ―個人的な備忘録をこえて

     第一部 河内の縄文時代~中世考古資料

第1章 日下遺跡(貝塚)採集資料の検討               
    1―はじめに
    2―日下遺跡の位置と環境および既往の調査概要 
    3―紹介資料の採集状況 4―採集遺物の概要
    5―むすびにかえて
第2章 日下遺跡(貝塚)の自然遺存体に関する所見   
       ―食糧獲得活動の理解にむけて
    1―はじめに
    2―既往調査における自然遺存体の報告事例
    3―採集資料の概要 4―むすびにかえて
第3章 池島・福万寺遺跡の土器埋納遺構ほか集成とその
    特質     
    1―はじめに
    2―集成方法・基準
    3―水田面における埋納・祭祀遺構の様相
    4―埋納・祭祀遺物の様相
    5―埋納・祭祀遺構の理解
    6―おわりに
第4章 河内・船橋遺跡の古代ガラス小玉鋳型をめぐる検討     
    1―はじめに
    2―船橋遺跡について
    3―ガラス小玉鋳型について
    4―評価と所見 5―おわりに
第5章 河内・発掘資料精選              
    1―はじめに
    2―河内出土列品解説
第6章 河内余録      
    Ⅰ 東大阪市日下町七丁目(現・日新高校)採集
      遺物について 
    Ⅱ 出所「船橋」「大和」の土器
      1―緒言・経緯 
      2―資料の概要 
      3―出土地について 
           4―資料の位置づけ
          5―まとめ 
    Ⅲ 梶古墳群 かじこふんぐん
    Ⅳ 古代の調査 ―条里制研究の発信源
        1―はじめに 
           2―旧2財団の古代にかかわる調査成果

     第二部 和泉・池上曽根遺跡のことごと

第7章 発掘された日本列島・新発見考古速報'96~'98
     ―池上曽根遺跡 
    1―はじめに
    2―速報展'96
    3―速報展'97
    4―速報展'98
第8章 都市とも称される近畿最大級の環濠集落
     ―池上曽根遺跡
    1―集落様相
    2―関連遺跡ガイド
第9章 巨大環濠集落と妖艶なマツリ ―池上曽根遺跡  
    1―情報
    2―遺跡内容と復原画
第10章 弥生のマツリと大形建物 ―池上曽根遺跡の基礎情報  
    1―シンポジウム(資料集)と記念刊行本
    2―大形建物・大形井戸などの変遷
    3―大形井戸2
    4―大形建物1柱材の年輪年代(紀元前52年)と
       弥生土器
    5―特殊表現をもつ高床式建物を描いた土器絵画
第11章 弥生の大形建物・都市・実年代
      ―池上曽根遺跡からの発信
     1―要旨ほか
        2―はじめに
        3―大形建物と大形井戸の発見、そして、現地復原と
      池上曽根史跡公園
        4―弥生時代に「都市」があったと言い出した研究者
      ・
      学者・マスコミなど、そして、その学説のゆくえ
      と当否をめぐる私の考えや主張
        5―年輪年代測定(紀元前52年:大形建物・柱材12)、
            そして、弥生時代・卑弥呼・古墳出現の年代の
      見直し        
第12章 弥生遺跡の整備・活用と保存運動
      ―池上曽根遺跡における展開  
    1―はじめに
    2―最初の大規模発掘調査 ――第二阪和国道の建設
    3―第二の大規模発掘と史跡公園オープン
    4―近年の活動と今後の課題
第13章 池上曽根遺跡の〈特異〉な弥生中期壺
    1―はじめに
    2―二重の〈特異〉性
    3―出土状況をめぐって
    4―〈特異〉な弥生中期壺をめぐって 
    5―むすびにかえて
第14章 石庖丁の製作工程 ―池上曽根遺跡にみる各段階資料
    1―はじめに
    2―石庖丁製作の各工程資料
第15章 再録 卑弥呼の謎・年輪の証言
         ―Pick up Site 池上曽根遺跡
    1―池上曽根の発掘現場にいた、あの頃のこと
    2―Pick up Site 池上曽根遺跡
      ――秋山はしみじみと語ってくれた・・・・
    3―卑弥呼の謎 年輪の証言
      ―冗談を言っているときとはちがう、
       非常に手堅い研究者の表情が・・・

      第三部 河内・和泉の近現代資料

第16章 戦時下の陸軍陶器
    1―はじめに ――「戦後50年」のこと
    2―発掘資料精選にとりあげた2点
    3―陸軍大正飛行場・航空隊(志紀遺跡)の検出品
    4―陸軍明野飛行学校佐野飛行場(植田池遺跡)の
      検出品
第17章 造瓦具の記録
    1―煙立つダルマ窯の思い出
    2―個別の概要
    3―おわりに
    初出文献(原題)・成稿一覧
    あとがき ―~~