【内容簡介】※本書”はじめに”より抜粋
ここに『山陰歴史考古学論攷』
として鳥取、島根
両県下の遺跡・遺物について執筆した論文をまとめた。
山陰の伯耆国八橋郡に生れ、 米子の高校に進み、
昭和四十四年に東都の中央大学に入学した。その後は
発掘調査を立正同窓と同じくしたこともあり、考古学を
専門的に学ぶ目的で立正大学の大学院に進んだ。
昭和五十八年には縁あって立正大学文学部に奉職して
三十八年、
令和二年度が定年となった。
この間、山陰地方の遺跡とはそれほどには係わっては
こなかったが、
古くは古墳、横穴墓、近時は中世石塔、
近世墓石などについて何編かの論文を執筆してきたもの
をまとめたものである。
鳥取県下では、 赤崎町所在の赤崎塔、
赤崎の奥地で
出土した泥塔、 倉吉市大日寺出土の瓦経を扱い、
島根県下では石見銀山の石造物、
津和野の藩主亀井家墓所
などを調査してきた。 また濱田藩主松平右近将監家の家臣
墓石は、館林、江戸の遺存資料と、
浜田の実地調査は
津和野への往来時に果たしたものである。
従心まで考古学研究を継続することができたことは、
多くの方々の援助によるところであり、 協力を賜った
皆さまに感謝申し上げたい。
ここにまとめたところが、
山陰地方の歴史考古学研究に些かでも寄与するところが
あれば幸いであります。
【目 次】
はじめに
第一章 古代・中世の仏教遺物
(一) 伯耆赤碕出土の泥塔経
(二) 伯耆の仏教遺物
(三) 伯耆大日寺瓦経
(四)
伯耆における中世石塔
(五) 岡山県北部所在の中世石塔
第二章 近世墓の諸相
(一)
鳥取藩池田家における家老墓の様相
(二) 鳥府掃苔録
(三) 米府掃苔記
(四)
松平右近将監家の家臣の墓石
(五) 津和野藩主亀井家墓所
(六)
長州藩家老益田家の墓所
第三章 山陰の考古学史
(一) 足立 正大人の墓所に詣でる
(二)
山陰の考古学者、 倉光清六大人の墓所に詣でる
(三) 野津左馬之助大人の墓所
おわりに