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書籍番号 80257
書  名 馬と古代社会
シリーズ
データ A5 568頁 カラー口絵8頁(上製本)
ISBN/ISSN 978-4-8406-2247
編 著 者 佐々木虔一・尻秋生・黒済和彦編
出 版 年 2021年5月 
出 版 者 株式会社 八木書店
価   格 8,800円(税込)

【内容説明】

①馬文化の渡来に迫る
 古墳時代、東アジアを経由して日本(倭)に渡来した
馬文化。馬は古代社会にどのように受容され広がったのか。
中国・朝鮮半島・中央アジアなどの馬文化と比較し、日本
国内の古墳などに埋葬される馬具・埴輪、地中から出土
する馬の骨など、多彩な資料を分析した最新の研究を紹介。

②日本全国を網羅
 中国の制度や朝鮮半島のあり方を強く意識しつつ、生駒
山麓西側周辺から伊奈谷(長野県)を経て、上野地域を
見通す馬の伝播の道、畿内周辺の牧、そして御牧が設置
された信濃・上野・甲斐・武蔵地域、さらには北陸・東北、
九州南部まで、日本列島の馬に関するほぼ主要な地域を
カバー。その地域の専門家が最新の研究成果を伝える。

③古墳時代中期から摂関期までの約700年間
 初期馬飼集団が出現した古墳時代中期からはじまって、
馬が武力として積極的に利用された古墳時代全般、大化
前代から律令制成立期の諸制度の成立、そして律令制下の
牧の実態、貴族と馬の儀礼的な関係が強まった摂関期まで
約700年間を対象とする。

④古代社会を支えた馬の諸相
 白馬の節会(毎年正月7日に実施)など儀式に登場する馬。
雨乞の祭祀に用いられる馬。神社に奉納される絵馬。和歌に
よまれた馬、騎馬と馬車の関係など、様々なシーンに登場
する馬が古代社会にもたらした意味を多角的に考える。

⑤馬の一生
 馬はどこからやってきて、何を食べ、何歳まで生きたのか。
地中から出土する馬の骨などを分析する動物考古学の最新
成果により、都城やその周辺の馬の一生(ライフヒストリー)
や馬の出生地、そして労働環境までを明らかに。
カラー口絵8ページで、馬の文物を紹介。

【目 次】

カラー口絵(8頁)
序―『馬と古代社会』刊行にあたって―(佐々木虔一)

Ⅰ部 総  論
  1 日本列島における馬匹と馬具の受容(桃﨑祐輔)
  2 馬匹生産地の形成と交通路(諫早直人)
  3 馬と渡来文化―古墳時代東国の馬生産―(若狭 徹)
  4 東国の牧遺構(平野 修)
  5 貢馬をめぐる牧の諸相(山口英男)
  6 動物考古学からみた馬匹生産と馬の利用(植月 学)
  〔コラム〕馬のシンボリズム
        ―古代トラキア人と馬―(田尾誠敏)
Ⅱ部 考古編
  1 地域間関係と交通を考える馬具研究(内山敏行)
  2 絵  馬(北條朝彦)
  3 都城と馬(山崎 健)
  4 エミシの馬―狄馬―(黒済和彦)
  〔コラム〕焼  印(高島英之)
  5 馬関連の遺構・遺物からみた陸奥国府(高橋 透)
  6 馬の飼育
    ―群馬県榛名山テフラ下の事例をもとに―(杉山秀宏)
  7 群馬県安中市横野台地の牧と道路(井上慎也)
  8 科野の馬・信濃の馬と東山道(西山克己)
  9 富山市百塚住吉D遺跡の厩舎(馬小屋)遺構(鹿島昌也)
  〔コラム〕東山道武蔵路と馬(黒済玉恵)
Ⅲ部 文献編
  1 古代の馬飼(加藤謙吉)
  2 唐代の馬匹生産・管理と交通規定(河野保博)
  3 駅馬と伝馬(中 大輔)
  〔コラム〕推古朝の馬官(吉村武彦)
  4 兵馬と官牧―公私馬占有の日唐比較―(田中禎昭)
  〔コラム〕小野牧(柳沼千枝)
  5 儀礼・儀式と馬(中込律子)
  〔コラム〕日本古代における馬の毛色(荒井秀規)
  6 祭祀・祓と馬(藤本 誠)
  7 六芸からみた乗馬習慣(藤田佳希)
  8 絵馬の起源を探る―古代史研究と民俗資料―(川尻秋生)
  9 古代における馬と和歌(荒井洋樹)
  10 日本古代の騎兵―中世武士の前提として―(近藤好和)
  11 近畿の馬牧(吉川敏子)
  12 古代の九州と馬(柴田博子)
あとがき(川尻秋生)
執筆者紹介