【紹 介】
日本列島にさまざまな地域色をもって展開した縄文時代の
土器文化。その地域色の広がりは、伊勢湾と若狭湾を結ぶ
ラインを境界とするケースがしばしば見られます。
現在の東西日本で方言や習俗が異なるのと似た現象がうか
がえそうです。
そうした縄文時代は、稲作を伴う「遠賀川系土器」文化が
西日本に普及したことで終焉し、先史時代に一大エポック
を築きました。この遠賀川系土器文化の広がりも、まさに
伊勢湾と若狭湾を結ぶラインを境界としています。
この境界に近いところに位置する近江では、西日本に広がる
弥生文化をベースにしながら、東日本に残る縄文的文化の
影響も色濃く受容して、両文化が複雑に共存する地域文化を
展開します。
今回の展示では、公益財団法人滋賀県文化財保護協会が
50年にわたって発掘調査した主な遺跡を中心に、縄文~弥生
時代の近江文化を紹介します。
【主な掲載資料】
◆縄文時代◆
相谷熊原遺跡、粟津湖底遺跡、赤野井湾遺跡、弁天島遺跡、
竜ケ崎A遺跡、小川原遺跡、松原内湖遺跡、滋賀里遺跡、
上出A遺跡の出土品(以上、滋賀県)
三重県粥見井尻遺跡、福井県桑野遺跡、奈良県橿原遺跡の
出土品など
◆弥生時代◆
烏丸崎遺跡、小津浜遺跡、赤野井浜遺跡、針江浜遺跡、
堤ヶ谷遺跡、宮前遺跡の出土品、大岩山銅鐸(以上、滋賀県)
愛知県朝日遺跡、石川県八日市地方遺跡、福井県下屋敷遺跡、
吉河遺跡、京都府鶏井冠遺跡の出土品など