80827.jpg

 
書籍番号 80827
書  名 漢字の象形―文字の賞玩
シリーズ (黒川古文化研究所・研究図録シリーズ8)
データ A4 149頁
ISBN/ISSN
編 著 者 石谷 慎編集
出 版 年 2021年10月 
出 版 者 公益財団法人 黒川古文化研究所
価   格 1,760円(税込)

 【目次】
1. 総説 漢字資料を通して見る中国史 石谷 慎   003
2. 図版                      015
3. 漢字索引と略説                 132
4. 作品目録                    150
 【凡例より一部抜粋】
・本図録は、黒川古文化研究所における第126回展覧「漢字の
象形―文字の賞玩」展(2021年10月16日~11月28日)の開催に
伴って編集、発行した。ただし、展覧会の総目録としてでは
なく、より研究性の高い図録を目指して、掲載作品を絞って
部分拡大を増やした。また、巻末には「漢字索引と略説」を
付し、字書としての利用にも供せるよう意図した。
…………………………………………………………………………
漢字が誕生したのはおおよそ4000年前。それ以来、中国は
もちろん日本や朝鮮半島・ヴェトナムなど周辺の国や地域でも
使用され、継承されてきました。これだけ長期間にわたり、
しかも広範囲に使用された文字は、世界に類を見ません。
漢字の最大の特徴は、それが言語を伝達・記録するための
たんなる文字ではなく、字の形や成り立ちに意味をもつ表意
文字という点にあります。「目」が目の形、「壺」が壺の形を
象り、「上」「下」や「本」が線や点の位置関係によって方向
や概念をあらわすように、漢字は身の回りの具体的な物事を
象形し、抽象的な概念を図化したものです。
漢字が人びとの感情や意志を伝達するのに役立つからこそ、
様々な民族が漢字を理解し、その権威を借りようとしました。
漢字を書くための道具や作品が生まれ、漢文の教養を積む
ことも重視されるようになりました。
殷周時代の青銅器や骨器を見ると、漢字の変遷のみならず、
その解読・解釈に思考を巡らした学者たちに寄り添うことが
できます。また、唐代以降の鏡や文房具を眺めると、政治家や
文人たちが込めた古代への憧憬を読みとれます。約80件の
「漢字資料」を通して、何気なくつかっている漢字の魅力を
再発見していただく機会となれば幸いです。