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書籍番号 80856
書  名 装飾古墳ガイドブック 九州の装飾古墳
シリーズ
データ A5 160頁
ISBN/ISSN 978-4-7877-2113-6
編 著 者 柳沢一男著
出 版 年 2022年2月 
出 版 者 文物出版社
価   格 2,750円(税込)

【紹介文】

 石室を埋めつくす赤・黒・緑・黄の三角文、騎馬や船の図文、
天空の星のようにちりばめられた珠文、得体の知れない怪獣の
ような図文、謎の直弧文や双脚輪状文、蕨手文……。装飾古墳
の不思議な図文は人の目を惹きつけ、古代のロマンをかき立て
ます。
それらの写真を大きく掲載した本もたくさん刊行されています。
しかし、古墳の装飾がどの地域で、どんな図文からはじまり、
どのように変化・波及し、終息していったのか、そもそも何の
ために装飾をしたのか、その歴史は案外知られていないように
思います。本書は、考古学研究でわかってきた装飾古墳の歴史
をわかりやすく解説しようとするものです。目を引く図文だけ
でなく、それが描かれた古墳の写真や石室の図版、さらに分布図
などをたくさん収録しました。
 装飾古墳に表現されたさまざまな図文は、たんなる墓室内の
飾りではありません。古墳時代の人びとの死者への想いが表現
されたものです。
九州の数多くの装飾古墳をとおして、その想いに触れる旅に出て
みませんか。

【目次】

●ようこそ装飾古墳の世界へ
01 装飾古墳とは
02 装飾のある古墳の種類
03 変遷を三つの時期に分けてみる

●先1期の装飾古墳
04 最初に出現した装飾古墳
05 直弧文・円文の意味するもの
06 家形表現の思いと工人の交流

●第1期の装飾古墳
07 装飾古墳の出現
08 直弧文・具象文の出現
09 同心円文のはじまり
10 色の塗り分けがはじまる
11 石屋形の登場とその装飾
12 装飾古墳の広がりとその背景
13 横口式家形石棺の連鎖
14 地下式横穴墓の家屋表現

●第2期の装飾古墳
15 六世紀前葉の大転換
16 王塚古墳─玄室前面壁画の語り
17 王塚古墳─玄室奥壁と石屋形の壁画
18 王塚古墳─武器・武具の図文
19 王塚古墳─天文図の謎
20 日岡古墳─石室構造と壁画
21 日岡古墳─多様な壁画
22 釜尾古墳─石室と壁画
23 謎の双脚輪状文
24 双脚輪状文のルーツ
25 謎の天井画
26 朝鮮半島と九州のつながり
27 叙事的壁画の出現①─田代太田古墳
28 叙事的壁画の出現②─五郎山古墳
29 高句麗系図文の登場①─竹原古墳
30 高句麗系図文の登場②─珍敷塚古墳
31 横穴墓の図文装飾

●第3期の装飾古墳
32 鯨・イルカ猟を描いた線刻画
33 鬼面文を描いた線刻画
34 樹木・木葉・鳥の線刻画
35 描かれた船と馬

まとめに代えて