【内容紹介】
考古学研究は資料を見ること[認知]、資料についての情報を
知ること[認識=分析]、そして、当時の文化の中での役割を
知ること[意味論=モデル論]と進む。
本書では、分析の方法と、資料を解釈するためのモデルにつ
いて述べる。かつて私たちは考古学の社会的意義を問い、考
古学の観点から総合的な日本の歴史を創ること[古代学]を目
ざしていた。本書と前書『考古学基礎論』とによって、先人
たちの悲願だった「古代学」に到ったと思う。
新しい考古学を求める若い研究者たちに本書を贈る。
【目次】
はじめに
第1章 考古学の基礎的作業
第1節 見ること
第2節 分析すること
第3節 遺跡研究
第4節 分布論―比較研究
第2章 自然科学について
第1節 馬場壇の風景
第2節 箸墓古墳は卑弥呼の墓か
第3章 何をよりどころに論じてきたのか
第1節 欧米の研究
第2節 思想・心情
第3節 学史
第4章 意味論へ
第1節 記号
第2節 装飾
第3節 象徴的思考
第4節 象徴的世界の領域の形成
第5節 表徴
第5章 幻の力
第1節 呪物
第2節 魂と死霊
第3節 祖霊と神霊
第4節 憑霊
第5節 世界観としての病因論
第6節 神の位相
第6章 歴史の復元
第1節 縄文人のゆくえ
第2節 日本人は何者だったのか
おわりに/後記