【紹介】
本書は2022年8月に、大韓民国、国立釜山大学校に提出した文学博士
請求論文、原題「大韓海峡をめぐる新石器時代の交流研究(ハング
ル)」の日本語訳を加筆修正したものである。(本書、あとがきより
抜粋)
【内容簡介】
なぜ先史時代の人々は海峡を越えてまで交流することを求めたのか。
土器を中心とした第1ネットワーク、石器や骨角器中心の第2ネット
ワーク、装身具中心の第3ネットワークを設定し、その交流の様相を
構造的に解明する。
目 次
序章 本書の課題と展望…………………………………………………1
第1節 本書の視点 1
第2節 交流の考古学の現状と課題 2
第1章 本書の構想と構成………………………………………………5
第1節 本書の基本構想 5
第2節 ネットワークの設定にあたって 6
第3節 本書の構成 8
第2章 韓日新石器時代交流史とその研究動向
……………………11
第1節 土器系統論の展開 11
第2節 石器研究史の検討 13
第3節 土器編年研究と絶対年代の間題点 15
第4節 交流関係土器の確認と間題点 17
第5節 土器交差年代確立とその限界 20
第6節 交流背景の研究―組織的漁撈民交流論の限界― 22
第7節 生業と交流構造変化の研究 24
第8節 既存研究の間題点と本書の視点 25
第3章 すべては自然環境から始まる
………………………………29
第1節 領域の地理的環境による設定 29
第2節 海の環境の重要性(対馬暖流の意味) 34
第3節 気候変動が変化の始まり 37
第4章 土器から見える交流の世界
…………………………………39
第1節 土器交流が語るもの 39
第2節 土器交流の時代 51
第3節 西唐津式土器成立に対する朝鮮半島系土器の影響 90
第5章 土器文化の融合と分離………………………………………103
第1節 曽畑式上器の幾何学的文様の系統 103
第2節 土器底部からわかること 115
第3節 土器の胎土は語る 122
第4節 縄文中期・後期前半―境界の縄文上器― 126
第5節 縄文後期後半以降の交流―隔離の構造― 130
第6章 石器・骨角器はどのように伝わったか……………………133
第1節 第2ネットワークとは何か 133
第2節 新石器時代漁撈用石器―石銛の系譜― 134
第3節 鯨取り―先史捕鯨の復元― 141
第4節 結合式釣針と外洋性漁撈活動 148
第5節 狩猟と漁撈 153
第6節 工具と素材の流通 167
第7章 装身具はなぜ広域に伝わるのか……………………………179
第1節 第3ネットワークの特色 179
第2節 儀礼具から見た第3ネットワーク 200
第3節 第3ネットワークの意味 207
第8章 交流と先史社会の構造の変化………………………………211
第1節 土器から見た社会の変化 211
第2節 石器の類似性の意味 214
第3節 装身具流通の本質 217
第4節 選択的交流と排他性の社会の変動 218
第5節 交流史研究の目指す方向 222
参考文献 225
あとがき 265