【紹介文】
明治年間、秋田県で農作業中の水田から杉の角材が隙間なく列を
なして発見された。昭和初期の発掘により、律令国家が築いた対
蝦夷政策の拠点であることがわかった。この遺跡が史料に記録さ
れたどの城柵にあたるのか、90年以上に及ぶ論争と半世紀にわた
る発掘からその正体に挑む。
【目次】
第1章 謎の城柵の発見
1 姿をあらわした城柵
2 律令国家の東北経営と城柵
第2章 払田柵跡を掘る
1 水田に浮かぶ島
2 払田柵跡の構造
3 三重構造の城柵
4 政庁とその変遷
5 工房域と曹司域
6 柵内のその他の調査
7 払田柵創建後の周辺環境
〈コラム〉遺跡にみる自然災害
第3章 出土文字資料は語る
1 墨書土器・刻書土器
2 木簡
3 漆紙文書
第4章 払田柵跡の正体を探る
1 払田柵跡の変遷
2 払田柵跡をめぐる諸説
3 払田柵とは何か
4 これからの払田柵跡