【内容紹介】
身近な遺跡データから読み解く縄文社会の資源利用
地域で蓄積が進む行政発掘資料の分析と関連研究成果の援用から、
「沖積低地利用」という観点に着目し、縄文時代の植物利用、居
住様式、人口、社会複雑化などのテーマに切り込む。
遺跡発掘の現場から積み上げられた包括的な考古学研究の成果。
【目次】
序章 縄文時代における資源利用技術研究の射程
第1章
問題の所在:縄文時代の資源利用と社会
植物利用論/居住様式論/本書における問題の所在
第2章
方法論の検討:縄文時代石器の研究
縄文時代石器研究方法論の現在/本書における石器研究法
第3章
九州縄文時代磨製石斧の動態
九州縄文時代の磨製石斧/分析の方法:磨製石斧の性能分析/九州縄文
時代の土器編年:本書における時間軸の概要/各事例の分析/九州縄文
時代磨製石斧の動態
第4章
九州縄文時代打製石斧の動態
九州縄文時代の打製石斧/分析の方法:打製石斧の性能分析/各事例の
分析/九州縄文時代打製石斧の動態
第5章
九州縄文時代縦長剥片石器の動態:博多湾沿岸地域の分析
九州縄文時代の縦長剥片石器/分析の方法:縦長剥片石器の性能分析/
各事例の分析/博多湾沿岸地域における縄文時代縦長剥片石器の動態
第6章
九州縄文時代資源利用の石器モデル:分析結果の統合
磨製石斧モデルの整合性/打製石斧モデルの整合性/縦長剥片石器モデ
ルの整合性
第7章
遺跡立地変遷と石器モデル:博多湾沿岸地域の分析
縄文時代前期以降の遺跡立地/分析の方法:遺跡立地変遷の把握/博多
湾沿岸地域の遺跡立地変遷/九州縄文時代資源利用モデル
第8章
議論:資源利用技術からみた九州縄文時代社会
植物利用/居住様式/縄文時代経済・社会のシステムモデル
終章 結論と展望
付表
付表1 磨製石斧データ/付表2 打製石斧データ/
付表3 遺跡立地データ