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書籍番号 |
82595 |
書 名 |
考古学と文化史 2 |
シリーズ |
(同志社大学考古学シリーズ 14) |
データ |
A5
680頁 |
ISBN/ISSN |
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編著者 |
同志社大学考古学研究室編集 |
出版年 |
2025年4月 |
出版者 |
同志社大学考古学研究室 |
価 格 |
4,400円(税込) |
【考古学と文化史 2 刊行にあたって】
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二〇二三(令和五)年は、考古学研究室の初代教員である酒詰仲男先生が
同志社大学にご着任されて七〇年、二代教員である森浩一先生がご逝去
されて一〇年の節目であった。そこで、考古学研究室の関係者にお声が
けして、前者については六月二八日に記念祝賀会を、後者については一
〇月七日に偲ぶ会を開催した。いずれも多くの関係者にお集まりいただ
き、それぞれの節目について感厩を共有することができた。
また、森先生がご着任された一九六六年に始まった木曜定例研究会、通
称「定例研」も昨年(二〇二四)一〇月に一、二〇〇回目を迎え、辰巳和
弘氏(一九六五年度生)に定例研が始まった頃の考古学研究室についてお
話いただいた。ここ数年の考古学研究室での出来事を振り返ると、日本
の考古学界に数々の業績と人材を輩出してきた同志社大学考古学研究室
の歴史と伝統の深さと大きさを、改めて痛感する次第である。これもひ
とえに、卒業生を中心とした考古学研究室関係者のご理解とご協力の賜
物である。記して心から感謝申し上げたい。
ところで、今回からしばらくの間、この同志社大学考古学シリーズは二
年間隔での刊行を目指すこととした。それは、三年間隔だと大学院へ進
学した学生や、学部で卒業して就職する学生が、まとめた卒業論文を活
字にする機会を逸することが多いためである。もちろん、従来どおりに
多くの関係者には自己研鑽の場として、今まで以上の論文投稿を期待す
るものである。
さて、今回のテーマは「考古学と文化史2」とした。その設定理由は、
ここ数年の考古学研究室関連の行事の原点を考える時、前シリーズ同様
に、考古学研究室開設当時の本学文化学科文化史学専攻(現文化史学科)
の在り方や、一九八二年に本シリーズが創刊された当時の趣旨を忘れな
いようにするためである。今回も五八名による多くの論文が集まった。
各執筆者もご多忙のなか、同じ想いでご執筆いただいたと確信する。
心から感謝を表したい。
本書の編集にあたり、山田邦和・鋤柄俊夫・若林邦彦・浜中邦弘氏に
は編集委員として、実際の編集や査読にご尽力いただいた。また、考古
学研究室事務員である松藤薫子・廣田幸氏には各種事務についてお手伝
いいただいた。末尾ではあるが、記してお礼を申し上げるものである。
二〇二五年四月一日
同志社大学文学部教授 水ノ江 和 同
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【目 次】
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『考古学と文化史2」目次
刊行にあたって …………………………………………
水ノ江 和 同
古植生からみたAT下位石器群の特徴に関する一試論 …
面 将
道
北陸地方における刃部磨製斧形石器の石材について
ー透閃石岩(ネフライト)はどこで採取したかー ……麻 柄 一
志
京都盆地の旧石器時代遺跡
ーいわゆる地山の性格についてー ……………………手 島
美 香
ある石器製作者による瀬戸内技法の模倣 ………………長 屋 幸
二
五色台から金山へ
ー石材利用の変化とその背景ー ………………………朝 井 琢
也
遺跡の引き算の概念と実例 ………………………………廣 重 知
樹
縄文時代中期末葉"北白川C式土器”の研究
ー文様帯構成の分析による編年の再検討ー
…………松 原 諒 汰
石製装身具の再加工と再利用
………………………… 水ノ江 和 同
準構造船の出現期について
ーアイヌ民族例も援用してー …………………………鈴 木 信
西播磨地域における凸帯文土器の特質
…………………春 名 英 行
清水風遺跡出土の「盾と戈をもつ人物」画から見る弥生祭場の風景
…………………藤 田 三
郎
弥生時代定義にみる文化/社会区分の相克と困難な選択肢
…………………若 林 邦 彦
鉛同位体比からみた外縁付鈕2式の銅鐸群
………………清 水 邦 彦
有鉤銅釧の製作時期・鋳型素材に関する一考察
………叶 井
陽
弥生時代の石製鍛冶具に関する考察
ー淡路市所在五斗長垣内遺跡・舟木遺跡出土資料の検討からー
…………………菅 榮太郎
卓状墓の広がり(二)
………………………………………福 島 孝
行
種子島における弥生時代から古墳時代並行期の石器について
…………………石 堂 和 博
鍵手文と縦横帯交差文
……………………………………杉 山 拓
己
神宮創祀に至る在地構造の変革
ー多気郡域の帆立貝式古墳の再評価ー
……………穂 積 裕
昌
安芸・備後地域におけるヒスイ製勾玉副葬をめぐる一様相
…………………岸 本 晴 菜
石棺の埋納
ー古墳時代前期ー中期前半の刳抜式石棺についてー
…………………真 鍋 昌
宏
韓半島における大型送風管の製作技法について
ー「輪台技法」としての認識と技法の復元・意図をめぐってー
…………………辻 川 哲 朗
下げ美豆良と上げ美豆良
…………………………………日 高
慎
古墳時代鉄器副葬の地域性に関する検討
ー滋賀県安養寺古墳群と妙見山古墳群の渡来系鉄器の導入をめぐって
…………………槇 和
泉
古墳時代の「水屋」
ー囲形埴輪の評価をめぐってー …………………松
田 度
埴輪に描かれた馬
ー飯田古墳群における馬匹文化の一例ー …………春 日 字
光
太鼓形埴輪の型式学的検討 ………………………………柴 田 将
幹
古墳時代ガラス玉の製作技法 ……………………………福 島 雅
儀
北へ向かう毛野の古墳文化 ………………………………深 澤 敦
仁
火雨塚古墳の基礎的検討 …………………………………佐 藤 純
一
倭鍛冶・韓鍛冶の文化史学的研究
ー生駒山地西麓における古墳時代後期の鍛冶揉業ー
…………………真 鍋 成 史
葡萄唐草文軒平瓦の再検討
………………………………服 部 伊久男
恭仁宮大極殿院平面プランの復元とその評価
…………古 川
匠
古墳その後
ー素描ー
………………………………………………浜 中 邦
弘
播磨北西部における古代鉄生産
ー技術系譜と背景ー
…………………………………大 道 和
人
延暦年間の信濃国高句麗人賜姓記事の考古学的研究 …川
崎 保
古代の手洗と洗盤
…………………………………………森 川
実
中世都市見付のもう一つの姿を考える
ー予察ー
………………………………………………鋤 柄 俊
夫
博多遺跡群周辺における古代から中世のガラス資料について
…………………比 佐 陽一郎
宝篋印塔と納経
……………………………………………原 田 昭
一
和鏡のもつ意味
ー出土遺構の違いから考えるー
……………………濵
喜和子
水中遺跡の「一括性」
ー陸上遺跡基準資料との比較検討ー
………………石 田
蓮
中世霊場「天橋立」の再編
ー十四世紀前半を中心にー
…………………………河 森 一
浩
信長死後の安土城造瓦集団についての一考察 …………山 口 誠
司
戦国期の平泉寺と朝倉氏との関係 ………………………宝 珍
伸一郎
地形環境からみた摂津国中島の中世城館
ー野田・福島合戦における利用に着目してー ……岡 本
健
中世後期~近世の瓦灯(燈)について
……………………堀 寛
之
豊後府内に搬入された手づくね成形土師器皿について
…………………山 本 尚 人
二尊院所蔵の位牌についての一考察
……………………井 上 智 代
二条家邸跡出土の江戸の土人形について
………………加 藤 雄
太
出土京焼研究の方法(一)平碗の属性
ー文様を中心としてー
………………………………角 谷 江津子
魏志倭人伝における哭泣の意味
…………………………門 田 誠 一
熨人略考
ー火熨斗の挿柄台と漢~西晋期における服装史・布帛史の一側面ー
…………………江 介
也
ソンマ・ヴェスヴィアーナ在
ローマ時代遺跡出土石臼の設置場所 ……………………反
田 実 樹
人文知と考古学・考古学者
ー森浩一の著作と一九七〇年代ー …………………今 尾 文
昭
天皇陵古墳の名称問題 ……………………………………山 田 邦
和
考古学史に見る遺跡保存の取り組みと課題
ー少子高齢化・人口減の時代に改めて考えるー …鈴 木 重
治
地域史を実感するためのスローサイクリング …………藤 川 智
之
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